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同窓会たより-平成29年度

同窓会たより 平成29年度

日本モンテッソーリ協会(学会)創立50周年におもうこと

同窓会会長  力丸敏光

 今年は、日本モンテッソーリ協会創立50周年です。それを記念し、8月8日から10日まで東京で日本モンテッソーリ協会第50回全国大会が開催されました。950名を超える参加者があり、「子どもによりそう大人たち」~モンテッソーリ教育の昨日、今日そして明日へ~という大会テーマのもと、参加者のとても熱心な姿を感じることが出来ました。その中で、創立50周年記念誌が配布されました。その1ページに故相良敦子先生のページがあります。その文章を読みながら、子どもたちの成長と世界平和に向けての私たちの使命と、明日への想いを強くしました。

 今年6月末に、突然お亡くなりになられました同同窓会の顧問でいらした相良先生の訃報に接した時には、深い悲しみに包まれてしまいました。そして、同窓会の理事の皆様とお別れの会には参加させていただきました。その時に相良先生の訃報を会員の皆様にすぐにお知らせできなかったことを深く反省し、心よりお詫び致します。今後、会員の皆様に緊急なお知らせが出来る環境を整えてまいりたいと考えています。

 話は変わりますが、記念誌の相良敦子先生のページに、インクルーシブ教育(どの子どもも排除されることなく一緒に行う教育)について書かれています。

「発達障害をはじめ何らかの障がいを持った子どもたちが多く認識されてきた今日、現場で重要な課題となっていて、日本の幼児教育界にモンテッソーリ教育が真に貢献するには、インクルーシブ教育で発揮する教育技術や環境構成を支える理論だ」とおっしゃっています。同窓会の方々と、このことについてしっかりと話し合っていければと思っています。来年の全国大会は福島県郡山で8月2日から4日まで「インクルーシブ教育とモンテッソーリ教育」というテーマで開催されます。それまでに各自の現場でいろいろと話し合い、一人ひとりの子どもをしっかりと観察し、支援方法や環境構成を考えて援助したうえで参加出来れば、実り多い大会になるのではないかと思っています。 

相良先生を偲ぶ

2017年6月末突然、相良敦子先生が亡くなられました。相良先生の著書「ママひとりでするのを手伝ってね」がモンテッソーリ教育への導きだったという人はたくさんいらっしゃると思います。同窓会を代表して3名の方が相良敦子先生の業績とお人柄を偲びました。

九州幼児教育センターモンテッソーリ教員養成コース 所長 藤原 江理子

 相良先生と当センターとの関わりは、1960年代まで遡ります。当時、モンテッソーリ教育を研究しておられた相良先生に、前所長・故 藤原元一が共に研究しましょうと声をかけたのが始まりだったと聞いています。

 九州のモンテッソーリ教育への取り組みは、相良先生を迎えて一気に熱を帯び、日本モンテッソーリ協会(現学会)初の支部、九州支部の立ち上げを成し遂げました。当センターは場所の名称ではなく、モンテッソーリ教育の研究と普及に心身を捧げる人々の活動の基点として、相良先生はじめ多くの方々のご尽力によって産声をあげたのです。

 それから45年‐活動の拠点を他県に移しておられる間も、前所長の没後も変わることなく、必ず一年に一度は当センターでモンテッソーリ教育を学ぼうと集った人々にご講義下さいました。

 「喜んで参上。」今もセンターのパソコンの受信トレーに残る相良先生からの最後のメール。今秋9月15日にセンターにて、コース生のためにご講義をお願いした時のご返信です。毎年のように当然のようにご講義頂けると思っていたことは、決してあたりまえなどではない、かけがえのないことであったのだと、今さらに痛感しています。

 私事になりますが、私は最後まで相良先生に「先生」をつけて名前を呼んでもらえませんでした。 授業中も「江理ちゃん!」と呼んでおられたのを聞いた同窓生の方も少なくないでしょう。相良先生と亡父がモンテッソーリ教育に邁進していた1960年代、毎日のように先生にお会いしていた頃の私はまだ就学前の幼子でしたから、当然と言えばそうかもしれません。しかし、私には「あなたを先生と呼ぶにはまだまだよ」という相良先生のお声が聞こえるような気がするのです。
沢山学んで。真剣に。一心に。このお言葉に少しでも近づけるよう精進することが、私の相良先生への感謝です。ご冥福をお祈りいたします。

日本モンテッソーリ協会九州支部 支部長 中尾 昌子 

相良先生とは、40数年前からご指導をいただいておりますが、いつも変わらぬ温かい笑顔でお話を聞いて下さいました。特に子どものことについては、興味深そうに大きくうなずきながら聞いて下さいました。理論がご専門でいらっしゃる先生は、学研から出されたモンテッソーリ教育の理論編を出版されていますが、とても分かりやすく、我々実践家にとって大きな支えとなりました。先生にとっては、その理論が子ども達にどう実現されていくのかが、興味点でもあり又課題でもあったのだと思われます。

沖縄から北海道まで全国に渡りどこにでも講演に出かけて下さり、保護者に向けて分かりやすくお話くださいました。このことは、現場でもモンテッソーリ教育をすすめるにあたり大きな力となりました。先生のこの熱意と多くの園や保護者とのつながりを基に「モンテッソーリ教育を受けた子どもたち」を出版され、幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子ども達のその後の成長と発達の特性を分かりやすく分析された書物を出版して下さり、これも現場の私達にとって大きな励みとなりました。

ちょうど将棋の藤井四段が1回1回集中して取り組む姿に注目され、その集中力はどこから育ったのかについて彼の母親がモンテッソーリ教育を受けたことを記事にされました。その後相良先生がインタビューを受けられたと聞いて、誤解もある中に、相良先生ならきっと正しく、分かりやすく、モンテッソーリ教育について解説して下さると思っていたやさきに突然の訃報を受けとても信じがたい出来事でした。

私達からすれば、今こそ世にモンテッソーリ教育を正しく伝えるチャンスでその適任である相良先生なのに急いで帰天されたのですか?と、問いたくなる思いでいっぱいでした。神さまがお決めになることだからと思いつつも残念でなりません。

「私がお役に立つのならどんなことでも」との先生の思いは、色んなところで生かされておられた様です。数年前になりますが、先生がモンテッソーリ教育の本を書かれて入った印税で、「おばあちゃんに育てられた子どもが、ディズニーランドにいきたがっていたのでフランスのディズニーランドへおつれしたの、何もわからないお二人をご案内した時、それはとっても疲れたわ」と、笑いながら話して下さいました。とてもお忙しい中にも、思い立ったら実行される先生の生き方に感動させられたひとつでした。

今は天国できっと安らかにお休み下さいますようお祈りしています。先生もきっと幼児におけるモンテッソーリ教育の発展のために祈って下さることでしょう。

同窓会顧問 村上貞子

 去る6月30日、相良敦子先生の突然の訃報に接し、言い様のないショックを覚えました。来年には先生にあさひ幼稚園に講演に来て頂き、お会い出来ることを楽しみにしていただけに、とても残念でたまりませんでした。

 先生は苦しまれなかったのだろうか、話したいと思っておられた事がもっともっとあったのでは?と思うと悲しみで胸が一杯になり先生にもう一度お会いしたかった、お声が聞きたかった・・・と涙が止まりませんでした。

 先生が歩んで来られた道や業績は、日本モンテッソーリ協会のあゆみにも見ることが出来ますが、私が相良先生を身近に感じる事が出来ましたのは、先生がエリザベート音楽大学の教授をなさっている時でした。私の講義の後の時間が相良先生のモンテッソーリ教育のゼミの時間でした。

 そこで私は前期並びに後期共ゼミ生と一緒に毎回勉強させていただきました。モンテッソーリ教育の神髄を話される中で、先生のモンテッソーリ教育への深い愛の様なものを感じていました。講義のあと二人でよくお茶をしました。先生は大学や各コース・講演会、又人と接してお話される時、変わらない姿がある事に気づきました。先生は心が広く明るく優しくおだやかな方で、誰に対しても心を開き屈託のない笑顔で真剣に話を聞き、その人の為に心を尽くして関わっておられました。人の役に立つ事を喜びとしておられる方でした。

大名教会での通夜のミサや聖イグナチオ教会の追悼ミサでは、全国から先生の御功績や御人柄に対し涙を流し別れを告げておられる方々にたくさん出会いました。

 相良先生は日本モンテッソーリ協会だけでなく九州コースの基礎を築かれた先生でもあります。相良先生への感謝の念は尽きませんが、先生のそばで学ばせていただいた日々、先生のモンテッソーリ教育への情熱を思い出しながら私も歩んで参ります。

 先生どうか見守って下さい。心からご冥福をお祈りいたします。


日本モンテッソーリ協会 第50回全国大会への発表要旨に寄せられた相良先生の最後のメッセージ

国の指針との関係
① 国の指針の歩みとモンテッソーリ教育
② モンテッソーリの発見を追体験していった人たち
2、 モンテッソーリ教具・モンテッソーリ教師養成の正当性とは?
① モンテッソーリ教具・モンテッソーリ教師養成をめぐる問題
② モンテッソーリ教育の普遍性と特殊性
3、 モンテッソーリの「発見」の本質
① 子どもから学んだ「子どもの見方」「幼児への教え方」
② 子どもから「生き方」を変えられる大人たち
4、 過去50年間のモンテッソーリ教育の発展的継承という課題
① 急激に変容する保育会とモンテッソーリ教育に求められる新しい対応
② 日本の幼児教育界に科学と秩序を与える役割

活動報告

第28回モンテッソーリ国際会議(7/27~30 inプラハ) に参加して

森山 多美子・十時 須摩 記

第28回モンテッソーリ国際会議inプラハ

 チェコ共和国の首都プラハは、600年前に建てられたままの街で、街自体が世界遺産に指定されている石畳の美しい街でした。また、街の中央をヴルタヴァ(モルダウ)川が南北に流れ、幾つもの橋が景観のアクセントとなり、橋の周りは人々の憩いの場にもなっていました。世界大会の参加国は71ヵ国、2,000名の参加がありました。日本からは、今年は東京での第50回全国大会と重なり、前回(ポートランド)の半分、25名ほどの参加となりました。

 テーマは、『平和への道』サブテーマが『社会変革のためのモンテッソーリ教育』でした。自己、家族、社会、宇宙から平和について論じられました。そして、現在の世界には様々な問題が山積している。難民、移民、貧困、戦争、テロ、種々の差別、気候変動等。早急に解決しなければ地球に住めなくなるほど差し迫っている。

第28回モンテッソーリ国際会議inプラハ

 モンテッソーリ教育で学んでいる子どもは、世界では1,000人に1人である。モンテッソーリ教育は、リーダーシップの素質を促進する。故に、その人数をもっともっと増やし、いずれリーダーになり世界の難問を解決してもらいたいということでした。実際に、分科会では、モンテッソーリ教育の学校を増やし、また質を高める為に、トレーナーを増やす計画を試みている。現在140名のトレーナー志願があるとのことでした。又、別の分科会では、貧民地域にモンテッソーリの子どもの家を建てて研究をしているが、学力の差を縮めるのに有効であるという結果が出たという報告もありました。

 全体を通して共通することは、モンテッソーリ女史が言う『こどもから平和は作られる』、子どもは一人一人大事な使命をもって生まれたかけがえのないいのち。それをまわりの大人は環境を整え、援助していかなければならない。子どもをよく観察すること、そして自分自身をもっともっと整えていくこと等の話がありました。

 マリア・モンテッソーリ女史が願った『平和』が世界中に受け継がれ、様々な国で熱心に実践されていることを改めて知り、喜びと力を分けてもらった世界大会でした。

 次回、4年後のモンテッソーリ国際会議は「タイ」に決まりました。多くの方の参加をお待ちしておりますとのことでした。

日本モンテッソーリ協会〈学会〉第50回全国大会 東京大会に参加して

同窓会理事 牛嶋恒美

 8月8日から10日まで開催されたモンテッソーリの全国大会に参加させて頂きました。今年は創立50周年記念大会ということでたくさんの貴重な講演を聞くことができました。

 記念講演では東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターの松本静子先生のお話を聞くことができました。モンテッソーリの幼児教育との出会いから今日までを92歳とは思えない若々しいお声で朗らかにそして熱くお話されました。

 また、応用講座では「子どもと共に育ちあうモンテッソーリ教師」というテーマで下條善子先生(広島モンテッソーリ教師養成コース)のお話を聞くことができました。

 モンテッソーリ教育は子どもが人格形成の基礎を建設するための手助けとして大切且つ必要なものであり、その重要な幼児期に同伴する私たち教師の役目もまた大きい。文化生活が豊かになり、生活様式が楽になる中で子ども達は今使わなければならない体(筋肉)を使っているだろうか。豊かな社会の中で失われていくもの、取り戻されなくてはならないものがある。

 「子どもと共に常に学びなさい」「いつも自分自身を整えなさい」というモンテッソーリ女史の言葉があります。先生は「自己形成のためになくてはならない子どもの欲求に応えていますか。子どもの声を読み取っていますか。」と問われました。「子どもの心を知る」為には「何をしたか」ではなく「何が育っているのか」が大切であり、教具は心を育てるためにある事を再認識させられました。

 子どもが困難に立ち向かったときにそれを乗り越える力、自分をつくる姿を見ること、その子どもにどう関わるかがとても大切なことだと思いました。最後に、「育てながら育ち 育ちながら育てる 子どもと共に」の言葉で講演を終えられました。

 この言葉をいつも持ちながらこれからの保育に臨みたいと思います。

九州幼児教育センターモンテッソーリ教員養成コース主催 春季実践 WORK SHOPに参加して

大濠聖母幼稚園2歳児クラス  藤井 尚子

新緑の季節に開催された九州幼児教育センターモンテッソーリ教員養成コース主催の研修に参加しました。3日間でモンテッソーリ教育の基礎となる「日常生活課程」の理論・実践を丁寧に教えていただきました。藤原江理子先生の特別講義では、保育の中での具体的な例を挙げてお話しがあり共感できるところが沢山ありました。子どもと接する時に大切にしなくてはいけないことを再確認することができました。

 実践では先生方の美しい無駄のない動きに目が離せませんでした。特に随意筋を100%使うという動きの提示にびっくりしました。先生方の提示を見ていると「私も早くやってみたい」という気持ちになりました。園に戻り随意筋を意識して使い 基本の動作を練習していくうちに他の教具の扱いも少し変わってきたように思います。今までの提示を見直すとても良い機会を与えて頂き感謝しています。

《オススメの本》

『1946年ロンドン講義録』マリア・モンテッソーリ著 中村 勇訳
風鳴舎発行 ¥2,970+税

「モンテッソーリ博士の人生後半に行われた、3~6歳の子どもを対象とした教師養成コースの講義録です。(中略) 実は、3歳以下―誕生から始まる発達についても多くが言及されています。」(ジュディ・オライオン)モンテッソーリ博士の深い観察力と理論に、感動し開眼される箇所に何度も出会うでしょう。モンテッソーリ教育を志す者にとって、待望の一冊です。


『人生の基盤は妊娠中から3歳までに決まる』白川 嘉継著 
東洋経済新報社発行 ¥1,300+税

 新水巻周産期センター長・小児科医師。25年以上にわたり、新生児、未熟児の医療、発達障害児、情緒障害児の医療に携わる。その多くの実践から得た真実を記載。妊娠中から3歳までの脳や心の発達、上手な子育て、母と子の愛着(愛着障害)・・・等が解りやすく書かれています。


『人間の傾向性とモンテッソーリ教育』マリオ・M・モンテッソーリ著AMI友の会NIPPON 訳  風鳴舎 発行

人間だけが持っている潜在能力や可能性等について詳しく書いてあります


『アトリウムの子どもたち』長谷川 京子著 サンパウロ

モンテッソーリの宗教教育についての本です

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