私達は九州コースを修了された方をサポートするために活動しています。

同窓会たより-2023年度

同窓会たより-2023年度

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幼稚園に復帰して 同窓会会長 力丸敏光(二日市カトリック幼稚園)

 今年度4月より、福祉施設である児童発達支援センターから、幼稚園に転職しました。
久しぶりの幼稚園は、いろいろと制度がかわっていたりして戸惑うことも多くありますが、子どもたちの明るい笑顔でいやされ、元気な毎日を送っています。

 現在勤めている幼稚園は、モンテッソーリ教育を導入していますが、教員養成はとても大変です。九州幼児教育センターのSSコースで学んではいますが、その後の研修の難しさを感じています。

 幼稚園の保護者に対して、モンテッソーリ教育の基礎的な学習会を通して、家庭での子育ての一助になればと行っています。さらに発達について心配なことがある保護者に対しては、ペアレント・トレーニングを行い、子育ての発達支援の基本的な考え方についてともに考えていっています。

 今通園している園児は、コロナ禍であまり外出していなかったり、外遊びの経験が少ない子どもたちです。自然の中で感じる直接体験の感動や、屋外でたくさん体を動かして幼児期に必要な運動があまり出来ていない状態にある子どもが、多くいます。そのような場合、いろいろな逸脱した状態にあると感じます。しかし、まずはありのままの姿を受け止めて、少しずつではありますが、正常化に向けて多方面から援助していきたいと考えています。

 モンテッソーリ教育において、人的環境の重要性と整えられた物的な環境を作っていくことの重要性を今一度しっかりと心にとめ、モンテッソーリ教育と出会った特別な存在としての職員たちとともに、私たちに与えられた使命だと心に刻み、全国各地でモンテッソーリアンとして頑張っていらっしゃる仲間のご活躍を励みとして日々努力していきたいと思います。

 令和6年度は、日本モンテッソーリ協会(学会)第56回全国大会が福岡で開催されます。九州幼児教育センターの同窓生も一堂に会して、大会を盛り上げることが出来ればと考えています。ご協力をお願いいたします。さらに、来年は九州幼児教育センター設立50周年に当たります。同窓会としましても、出来る限りの協力をしていきたいと考えますので、重ねてご協力をお願いいたします。
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リモート研修を受講して(コロナ禍で感じた自由と規律)

37期生 吉原 祐美(風浪宮しらさぎ幼稚園)

 今年の5月、約3年に渡った新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されました。この3年間で私たちのライフスタイルは良くも悪くも大きく変わりました。「自由」がなくなり人と会うことができないことで精神的に大きなストレスを感じた人や、逆に自分の時間ができ、「自由」が増えたと感じた人もいたはずです。

 私の勤めている幼稚園ではコロナ禍前までは、姉妹園の先生と月に1回“勉強会”という園内研修を行っていました。提示や研修報告、ヒヤリハットなどを行っていましたがコロナ禍では大勢で集まることもできなくなりました。そんな中、「リモート」という言葉が出始め、藤原江理子先生による講義をリモート研修として受けることができることになりました。コースに行けない先生も直接江理子先生の講義を受けることができ、より分かりやすくみんなが同じ方向を向くことができ、園全体の共通理解に繋がったと思いました。研修内容はコースと同じように、「モンテッソーリ教育とは何か」という基礎から始まり、「敏感期」「環境」「秩序」「自由と規律」などの講義でした。私がコースでこの講義を受けたのは社会人1年目の時でした。まだ子どものこともよく分からず、関わることで精一杯でした。今回リモート研修を受けた時は自分のクラスの子どもを思い浮かべながら聞くことができ、日々の保育の課題や悩みを見直すことができました。

 研修を受けて私が1番印象に残っていて日々の保育で心掛けていることは「自由と規律」です。私はコロナ禍の3年間、年長児を受け持ちました。園でも様々な情勢を鑑みて縦割りクラスを暫くやめ、学年別に過ごすようになりました。同学年の子どもたちが1日一緒に過ごすことで今までとは違う子どもたちの様子や会話が見られました。同時に私の頭の中も“年長”という文字が大きくなり、子どもたちを比べてしまうことが多々ありました。私の中の“年長児の像”に子どもたちの現状だけを見て当てはめすぎたから起こったことで、そこへ導くための環境(方法)を整えてあげなければいけませんでした。大人の理想だけが膨らみ、結果、形としてそれがうまくいったとして子どもたちはただやらされただけで、子どもの自由はどこにもなく、子どもたちの意思もありません。好き放題する自由ではなく、よく「観察」しその子に必要な物や場所などの環境を整えることで子どもたちはその中で、自分でこうやってみようという自由を与えることがモンテッソーリ教師としての在り方だと改めて考えることができました。様々な制限があった3年間、人としての決まりを守りながら「コロナだからできない」ではなく、「今だからできること」と前向きに捉え、子どもたちと一緒に考えながら保育をしてきました。現状をよく観て、大人も子どもも同じように『自由と規律』の中で生活できたらみんなが幸せになるのではないかと感じました。

「全国大会にて研究発表を聞いて」8月3日~5日 愛知県豊橋市にて開催

あさひ幼稚園 中生 理紀

 私は、富坂子どもの家の勝間田万喜先生、大平留佳先生の研究発表が深く心に残りました。その中でも、「子どもを信頼する」という言葉が印象的でした。研究発表では、大人が子どもを信頼し、行動を見守ることで子どもの精神の成長につながる事例を拝見しました。  子どもが○○するかもしれないという焦りや不安は、大人が勝手に抱いている心配事であって、それを仮説と捉え、○○するかもしれないがやってみる・しても良いと転換して考えることで、その子どもの可能性が広がっていくのであると気付きました。また、仮説を立てていることで子どもにやって欲しいことよりも、子どもがやりたいことに目を向けることができ、敏感期を逃さないことにつながるのであると知ることができました。

 子どもを信頼するには、その子どもをよく観察し興味のあるものを知ることや、子どもそれぞれの感じ方を受け止めることが大切であり、また子どもの言動を記録に残していくことは、子ども自身の性格や強み・弱みを分析するきっかけとなるため、日々の保育での私の大切な役目の一つであると感じました。

 子どもが時に大人のような発言をし、私は驚くことがありますが、無意識のうちに「子どもであるのに」という考えがあることに気付きました。子どもである前に一人の人間であることを認識し、その立場・目線に立ち気持ちを考えるという意味では「子ども扱い」をせず、その考えを尊重することが大切であると考えます。その積み重ねで子どもが大人を信頼し、信頼関係ができ、心地よく過ごせるようになるのだろうと思いました。「集団を管理するのではない」という言葉が研究発表の中にありましたが、今後、私は子どもが日々確実に成長していっていることを心に留めながら、個々の子どもが心地よく過ごせる環境づくりを心掛けていきたいと思います。

お知らせ

2023年11月4日(土) 九州幼児教育センター同窓会主催 研修会のご案内

【テーマ】「支援が必要な子への配慮のポイント」
【講師】佐々木信一郎先生(日本モンテッソーリ協会会長)

開催場所・内容・申し込み方法などの詳細は、下記のPDFファイルをダウンロードしてご覧ください。

20231104_同窓会主催研修会ご案内.PDF
(ダウンロードボタンをクリックしてください)

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